パッシブ換気とは|北海道の住宅における空気の流れと断面設計の考え方
アイキャッチ画像

住まいの中で、
空気の存在を意識する機会はそれほど多くありません。

ただ、実際には温度や湿度、空気の流れによって、
空間の感じ方は大きく変わっていきます。

近年では「パッシブ換気」という言葉を
耳にする機会も増えてきました。

北海道では特に、
寒冷な気候の中で安定した換気を行うための方法として、
自然の力を利用した換気の考え方が取り入れられてきました。

床下や基礎内の空間を経由しながら外気を取り込み、
建物全体にゆっくりと空気を流していくことで、
機械に過度に頼らずに換気を行う仕組みです。

私自身も、独立して間もない2009年頃からこの考え方を取り入れ、
試行錯誤を重ねながら現在に至っています。

ただ、
パッシブ換気を単なる仕組みとして捉えてしまうと、
その本質は見えてきません。

重要なのは、
空気の流れをどのように空間の中に組み込むかという点にあります。

どのように構造を組み立て、
それぞれの空間の間をどのように空気が流れていくのかを考えながら、
断面の構成を整えていきます。

例えば、
どこから新鮮空気を取り込み、
どのように室内を通り、
汚れた空気はどこへ抜けていくのか。

その経路は、
間取り断面の構成と密接に関係しています。

空気の動きは目には見えませんが、
その流れによって、
心地よさや落ち着きといった感覚は確実に変わっていきます。

また、
機械換気と比べて風量が大きくないことや、
ゆるやかに空気が入れ替わることによって、
過度な乾燥や気流感を抑えられる点も特徴の一つです。

吸気口・排気口の位置や高さ、
空間のつながり方、
天井の構成など、

一つひとつの要素が重なり合いながら、
空気の流れと空間の質が整えられていきます。

パッシブ換気は、
単なる設備ではなく、
建築のあり方そのものに関わる要素の一つです。

見えない空気をどのように扱うか。

それは、
住まいの質を考える上で、
とても重要な視点だと考えています。

ATELIER O2の住宅設計でも、
こうした空気の流れを前提とした断面構成を多くのプロジェクトで取り入れています。

実際の住まいの中でどのように空気が扱われているかは、
各事例のDetailからご覧いただけます。
https://atelier-02.com/case/living

前の記事次の記事