2012-03
所在地:伊達市
用途:住宅
構造:木造
規模:175㎡
Q値:1.29W/㎡K(換気回数0.4回)
SAPPORO CLASSIC CM 2013年放送
Photos taken by:Koji Sakai
敷地は伊達市の小高い丘に位置する牧場です。
牧草が生い茂り、海が見渡せ彼方に駒ヶ岳が見える位置を建設場所に決めました。
クライアントから出された要望は四角い単純な平面と三角屋根、素材は経年変化を楽しめるようなものを用いることでした。
プランは写真からも分かるとおり、いたってシンプルな間取りで農作業や豊かな風景を見渡せるような構成としました。
単純な三角屋根のボリュームはそのまま室内空間へとつながります。
梁を表すことで空間にリズムを与え、さらに天井を白く塗ることで陰影を増幅させ空間を豊かにします。
壁やドアも同様に白い塗装で仕上げ住人の手垢と共に時を刻みます。
室内の板張りの壁も白く塗装をして仕上げています。
当然ながら自然の素材ですから隙間も空き、ペンキが塗られていない箇所が目立つことになりますが、真新しさを消すことでどこか懐かしい雰囲気を出せるように考えています。
内浦湾に沈む夕日を増幅させるため白いペンキにはほんのわずかな
赤を含ませ夕日が室内のわずかな赤と反応し、空間をピンクに染めあげます。
床は魚の骨を図化(ICON)したヘリンボーン仕上げです。
塗装で濡れ色にならないような仕上げをしているので、素材のそのままに近い色で仕上がっています。
外壁も室内同様に経年変化を楽しめる素材を試みました。
5角形の家型がICON化して見える妻側は軒を無くし風雨があえて当たるようにし、素材がこの風景と馴染むようシングル葺としました。
通常ですと外壁に板を貼る場合は庇をかけ保護することが一般的ですが、レッドシダーを用いることで耐久性をもたせました。
このように今回はシンプルな構成で室内外の仕上げ方に共通性を持たせながら、周囲の厩舎と屋根勾配をそろえる等をし、この風景と共に穏やかな時が建物に刻まれることを夢みています。