都市の中でも、自然の中でも、住宅は環境との関係の中で成立します。
これまでのブログでは、個別の住宅として自邸「イヌエンジュの家」における東京大学による温熱実測
https://atelier-02.com/blog/craft/5756
そして南幌のモデルハウスにおける北海道大学による実測
https://atelier-02.com/blog/craft/5768を通して、
空間と性能の関係について整理してきました。
これらは、それぞれ異なる条件のもとで計画された建築ですが、
共通しているのは「環境との関係をどのように設計するか」という点にあります。
一般的に、都市に建つ住宅では外部環境からの影響を抑えるために閉じた構成が選ばれやすく、
一方で自然の中に建つ住宅では、風景に対して大きく開く構成が選ばれる傾向があります。
しかし、実測を通して見えてくるのは、単純に開く・閉じるといった操作では、
空間の質や温熱環境を十分にコントロールすることはできないということです。
例えば、開口部の位置や大きさ、外部との距離の取り方、
さらには視線の抜け方や光の入り方といった要素は、
単体ではなく相互に関係しながら空間の状態をつくっています。
「イヌエンジュの家」
https://atelier-02.com/case/living/5160
では、周囲の環境に対して必要な開き方を選択しながらも、
温熱的に安定した状態を確保するよう設計しています。
また、南幌のモデルハウス
https://atelier-02.com/case/living/3282
においても、複数の来訪者が体験する空間として、
開放性と快適性の両立を図るために、同様に関係性を整理した設計を行いました。
これらの実測結果から言えるのは、
空間の質は「開くか閉じるか」ではなく、「どのような関係をつくるか」によって決まるということです。
ATELIER O2では、敷地ごとの条件を個別に読み取りながら、
視線、距離、光、熱といった複数の要素を統合的に整理することで、
環境との適切な関係を設計しています。
こうした考え方は、広大な自然の中に建つ住宅でも、
都市の中に建つ住宅でも変わることはありません。
敷地条件が異なっても、関係を丁寧に整理することで、
空間の質は安定して成立させることができます。
ATELIER O2では、このような考え方に基づき、
どのプロジェクトにおいても再現性のある設計を行っています。
ATELIER O2の「設計の記録」は下記からご覧ください
https://atelier-02.com/case