北海道や東北地方で家づくりを考えるとき、
住まいの価値は、見た目の美しさだけでは決まりません。
冬の寒さにどう備えるのか。
室内の温度差をどう抑えるのか。
光や風、空気の流れまで含めて、
どれだけ心地よい空間をつくれるかが、
本当の意味での住みやすさにつながっていきます。
ATELIER O2は、札幌を拠点に北海道の住宅設計を行う設計事務所として、
意匠だけではなく、温熱環境や暮らしの質まで含めて住まいを考えています。
北海道で設計事務所を探している方、
札幌で設計事務所への依頼を検討している方にとって、
設計の考え方そのものが信頼につながると私たちは考えています。Source
今回ご紹介するのは、
南幌町みどり野・きた住まいるヴィレッジ内で計画されたモデルハウスです。
この住宅では、北海道大学による室内環境の実測が行われ、
設計時に想定していた温熱環境と空間構成の関係が、
実際の建築の中で丁寧に検証されました。
「Inside-Out」の過去のブログは下記の詳細をご覧ください
http://atelier02.blog72.fc2.com/blog-category-39.html
【① 実際の住環境を検証するということ】
住宅設計では、
断熱性能や気密性能、設備仕様など、
さまざまな条件をもとに住環境を計画します。
しかし、
建物が完成したあと、
その空間が実際にどのような温度環境となっているのか、
空気がどのように流れているのかは、
現地で測定して初めて見えてくる部分も少なくありません。
だからこそ、
実測による検証には大きな意味があります。
数値上の性能だけではなく、
実際の空間として快適性が成立しているかを確かめること。
それは、北海道で長く安心して暮らせる住宅を考えるうえで、
とても重要な視点です。
【② 温熱環境は空間構成と密接に関係する】
室内の温熱環境は、
単純に断熱材や設備の性能だけで決まるものではありません。
たとえば、
・空間のつながり方
・吹き抜けの有無
・開口部の位置や大きさ
・日射の取り込み方
・空気の流れの設計
こうした建築的な要素が重なり合うことで、
実際の住環境がつくられていきます。

つまり、
性能と設計は切り離して考えるものではなく、一体で整えるべきものです。
この点こそ、
ハウスメーカーの規格的な発想だけではなく、
土地や暮らし方に応じて建築を組み立てる北海道の設計事務所の役割が
大きく現れる部分だと考えています。
【③ 南幌モデルハウスでの取り組み】
このモデルハウスでは、
温熱環境と空間設計の関係を意識しながら、
建築全体を整理しています。
まず、建物の配置は、
かつてこの地域を走っていた夕張鉄道のラインに合わせています。
南幌町の碁盤目状の街区に対して、
あえて異なる角度を持たせることで、
地域の歴史を建築の中に埋め込みながら、
隣地との関係に奥行きと広がりを生み出しました。
この考え方は、ATELIER O2が南幌の住宅事例「inside-out」で示している、
土地の記憶や風景を読み解く設計姿勢にもつながっています。Source

また、メインの開口を南に向けることで、
北海道の住まいに欠かせない日射取得と日射コントロールをしやすくしています。
他の建物の隙間越しに遠景を見るような視界をつくることで、
単純な造成地の区画にとどまらない、
豊かな外部との関係をつくり出しています。Source
空間構成については、
モデルハウスであることから、
あらかじめ住まい手を固定しすぎない考え方を取り入れました。
2階は三角屋根に沿った大きなホールとし、
将来的に子ども室やロフトへ展開できるよう、
あえて余白のある大らかな空間としています。
暮らしの変化に応答できる柔軟性もまた、
長く住み継がれる住宅に必要な条件だと考えています。

さらに、空気の流れについても、
南幌という土地条件を前提に検討しました。
地下水位が比較的高いことから、
床下の空気をそのまま室内へ上げる一般的な考え方には慎重さが必要でした。
そこで今回は、
屋根に設置した集熱パネルの暖気を最終的に床下へ排気し、
対角方向に流すことで、
床下を常時室温に近い状態に保ちながら乾燥させる計画としています。

ここで重要なのは、
地盤調査で得られた情報を、
単に構造的な判断材料で終わらせず、
空気の流れや住環境の設計にまでつなげていることです。

こうした積み重ねによって、
この南幌モデルハウスでは、
無理のない温熱環境と、
将来の暮らしに対応できる空間の両立を目指しています。
【④ ATELIER O2の設計の考え方】
ATELIER O2は、札幌の設計事務所として、北海道の風土に根ざした住宅設計を行っています。
自然の光や風、四季の移ろいを丁寧に取り込みながら、
時を重ねるほど愛着の深まる住まいを目指していることは、
サイト全体でも一貫して示されています。Source
私は、
1995年に北海道東海大学芸術工学部建築学科を卒業後、
2005年にATELIER O2を設立。
一級建築士として長年にわたり北海道の住宅設計に携わり、
日本建築学会北海道支部による北海道建築奨励賞、
JIA北海道支部住宅部会新人賞、
さらに近年ではグッドデザイン賞・ウッドデザイン賞も受賞させていただきました。
加えて、北海道科学大学 建築学科の非常勤講師も昨年までの11年間務めており、
実務と教育の両面から建築に向き合ってきました。Source
こうした背景があるからこそATELIER O2では、
数値としての性能だけを追うのではなく、
実際の空間としてどう感じられるか、
その場所でどう暮らしが育っていくかを大切にしています。
北海道で設計事務所を探している方にも、
札幌で設計事務所への相談を考えている方にも、
見た目・性能・暮らし心地を分けずに考える姿勢こそが、
住まいづくりの信頼につながると考えています。
【まとめ】
住まいの質は、
見た目の美しさだけでも、
性能値だけでも判断できるものではありません。
実際の空間の中で、
どのような温熱環境が生まれているのか。
その環境が、光や風、視線、空気の流れと
どのように結びついているのか。
それを丁寧に考え、
さらに実測によって確かめていくことが、
長く快適に暮らせる住まいにつながっていきます。
南幌モデルハウスは、
そうしたATELIER O2の設計姿勢を具体的に示す一棟です。
北海道で家づくりを考えている方、
札幌の設計事務所に住宅や別荘の相談をしたい方にとって、
住まいを「見た目」だけでなく「環境」まで含めて考えることの大切さが、
この住宅から伝わればと思います。
ATELIERO2のホームページをこのような視点から見ていただけると幸いです。
https://atelier-02.com/