家づくりを考える際、
「どのような間取りにするか」は
多くの方が最初に考えることの一つです。
SNSや施工事例を見ながら、
理想の間取りをイメージされる方も多いかと思います。
一方で、
設計事務所へ相談される際に
「要望を伝えればその通りに形になる」
と考えられることも少なくありません。
もちろん、
ご要望を整理することはとても重要です。
しかし、
設計とは単純に希望を図面へ落とし込む作業ではありません。
今回は、
建築家がどのように間取りを考えているのかについて整理します。
【① 要望を並べるだけでは良い住まいにならない】
例えば、
・LDKを広くしたい
・吹抜けが欲しい
・収納を増やしたい
・書斎が欲しい
といった要望は、
家づくりではよく挙げられます。
ただ、
それらを単純に全て取り入れるだけでは、
必ずしも良い住まいになるとは限りません。
空間には広さや予算に限りがあり、
一つを優先すれば別の何かに影響することもあります。
そのため、
要望を“足していく”だけではなく、
全体のバランスを見ながら整理する必要があります。
場合によっては、
不要なものを削る「引き算」や、
一つの空間に複数の役割を持たせる「掛け算」を行いながら、
より良い住まいの形を整えていきます。
土地選びについては、
以前の記事でも詳しく整理していますので、
あわせてご覧ください。
https://atelier-02.com/blog/craft/5723
【② 間取りは土地によって大きく変わる】
同じ要望であっても、
建てる土地が変われば最適な間取りは変わります。
日当たり、
道路位置、
隣地との関係、
視線の抜け、
風の流れなど、
敷地条件によって
住まいのあり方は大きく変化します。
つまり、
良い間取りとは
“どこにでも当てはまる正解”ではなく、
その土地に対して考えられるべきものです。

時折、
「敷地が決まっていない段階で要望だけをもとに図面は描けますか」
というご相談をいただくこともあります。
しかし、
住まいは土地と密接に関係するものであり、
敷地条件が定まらないままでは本質的な計画を行うことはできません。
プランは、
土地があって初めて成立するものだと考えています。
土地が決まっていない段階でのご相談については、
こちらの記事でも整理しています。
https://atelier-02.com/blog/craft/5689
【③ 暮らし方から空間を考える】
住まいは、
単に部屋を並べた箱ではありません。
朝起きて、
食事をし、
仕事や家事を行い、
家族で時間を過ごし、
夜眠る。
その一連の暮らしの流れの中で、
どのように空間を使うのかを考える必要があります。
また、
住まいは建てた時だけではなく、
長い時間をかけて使われていくものです。
例えば、
子ども部屋を計画する際も、
小さい頃から学生、
大学進学や就職までを考えると、
将来的にはその部屋に子どもがいなくなる可能性があります。
そのため、
不用意に大きくしすぎると、
暖房負荷が増えるだけでなく、
使われない空間となってしまうこともあります。
また、
子どもの遊び場として専用スペースを設けても、
実際にはそこで遊ばず、
親の近くで遊びながら存在を確認したり、
同意を求めたりすることも多くあります。
一方で、
空間の使い方は固定されたものではなく、
暮らしに応じて変化していくこともあります。
例えば階段も、
単なる移動のための場所ではなく、
子どもの遊び場になったり、

成長とともに腰掛けたり机のように使われたりすることもあります。

また、
そうした場所で勉強をしていれば、
親が通るたびに自然と内容を確認したり、
声を掛けたりする機会も生まれます。
その何気ないやり取りが、
子どものやる気や安心感につながることもあるかもしれません。
図面上で用途を決めきるのではなく、
暮らしの変化や使い方の広がりを受け止められる余白を多く持たせることも、
住まいづくりではとても重要だと考えています。
【④ ATELIER O2が大切にしていること】
ATELIER O2では、
単に部屋数や広さを整理するのではなく、
「その家でどのように暮らしたいのか」
「その土地にどう建つべきか」
を踏まえながら、
住まい全体の方向性を整えていきます。
間取りとは、
単なる部屋配置ではなく、
暮らし方そのものを設計することだと考えています。
【まとめ】
建築家の設計は、
要望をそのまま図面化することではありません。
土地、
暮らし、
周辺環境、
価値観などを整理しながら、
その場所に合った住まいのあり方を考えていきます。
間取りとは、
部屋を並べる作業ではなく、
暮らしを形にしていくための設計そのものです。
次回は、
ATELIER O2が住まいづくりの中で大切にしている
「コンセプト」について整理したいと思います。