北海道で別荘を建てること。
あるいは、北海道へ移住して暮らすこと。
その土地を選ぶ理由は、人によってさまざまだと思います。
広い空、森や山、湖、田園風景。
四季の変化や、都市とは異なる時間の流れ。
私たちは、北海道で住宅や別荘を設計するとき、
建物だけをつくるのではなく、その土地で過ごす時間そのものを設計することを大切にしています。
風景を「取り込む」のではなく、関係をつくる
北海道の魅力は、建物の外側にあります。
だからといって、大きな窓をつくり、
目の前の風景をそのまま室内に取り込めばよいとは考えていません。
重要なのは、建築と風景との距離です。
近づきすぎれば、風景は一枚の絵のようになります。
遠ざければ、建築と自然との関係は薄れていく。
どこで視線を止めるのか。
どこから光を入れるのか。
どこに開き、どこを閉じるのか。
敷地の地形や周囲の環境を読みながら、
その場所にふさわしい距離を探していきます。
北海道の別荘や移住住宅だからこそ、
この「距離」の設計が重要だと考えています。
筒形の開口から、富良野の景色を取り込む
その考え方のひとつとして設計したのが、富良野の「Tsu Tsu」です。
特徴的なのは、筒形に切り取られた開口。
一面に広がる景色をすべて見せるのではなく、
あえて風景を切り取り、建築の中へ引き込んでいます。
そこから見える山や田園、空の表情は、
時間や季節によって変わっていきます。
朝の光。
夕方の山の色。
雪に覆われる冬。
建築が完成したときの景色だけではなく、
その後の長い時間の変化まで含めて、
この場所で過ごすことを考えています。
「Tsu Tsu」という名前
「Tsu Tsu」という名前には、いくつかの意味を重ねています。
筒のような開口。
この場所を拠点に、富良野で過ごす時間。
そして、建築と風景に包まれながら、
ゆっくりと過ごしてほしいという思い。
建築の中に景色を取り込み、
景色の中に建築がある。
その関係をつくることが、この別荘の設計の中心にありました。
北海道で暮らすということ
北海道での別荘設計や移住住宅の設計では、
景色だけを考えているわけではありません。
雪、寒さ、風、日射。
地域によって異なる気候への対応も、住宅には欠かせません。
断熱性能や暖房計画、窓の性能、雪への対応など、
北海道の厳しい環境に耐えるための性能を確保すること。
その一方で、性能を満たすことだけを目的にすると、
その土地で暮らす意味を失ってしまうことがあります。
だからこそ私たちは、
性能と風景、快適さと開放感、その両方を一つの建築として考えることを大切にしています。
北海道のどこに建てるのかによって、
見えるものも、光も、風も、雪の量も違います。
同じ答えを別の場所に持っていくのではなく、
その土地から設計を始める。
それが、北海道で住宅や別荘を設計する上での基本だと考えています。
別荘と移住住宅、その先にあるもの
別荘であれば、日常から少し離れて過ごす時間があります。
移住住宅であれば、そこが日常の場所になります。
一見すると違うものですが、
どちらにも「この土地でどんな時間を過ごしたいのか」という問いがあります。
森の中で静かに過ごしたい。
遠くの山を眺めながら暮らしたい。
庭や畑とつながりながら生活したい。
都市との距離を保ちながら、必要なときには街へ出られる場所に暮らしたい。
土地を選ぶ理由は、建物を選ぶ理由よりも先にあるはずです。
だから私たちは、住宅の形を先に決めるのではなく、
その土地での暮らし方を考えるところから設計を始めます。
その場所でしかつくれない住宅を
北海道には、同じ風景は二つとしてありません。
富良野の田園。
ニセコの山並み。
東川の大雪山。
道東の広大な風景。
海に近い土地や、森に囲まれた土地。
それぞれに異なる時間があります。
だからこそ、北海道の別荘や移住住宅には、
「北海道らしい建築」という一つの答えはないのだと思います。
その土地に立ち、
風景を読み、
光を読み、
暮らしを考える。
その結果として、建築の形が生まれる。
建築の中に景色を取り込み、
景色の中に建築がある。
ATELIER O2は、北海道での別荘・住宅・移住住宅を通して、
その土地でしか得られない時間を、建築としてつくっていきたいと考えています。
北海道での暮らしや別荘について、
まだ土地も決まっていない段階からでも、
その場所でどのような時間を過ごしたいのか。
そこから、一緒に考えていければと思います。