私が考える建物や設計について

ひな壇状の敷地にまたがる設計で、リビングを2階に配置することで雪から解放された「lepont」。自然環境に適応し、開放感と快適さを兼ね備えたデザインが特徴です。

建物は個人の所有物であると同時に、地域全体の財産でもあります。

私たちが多くの時間を過ごす空間である建物は、ただの機能的な箱ではなく、時の流れとともにその価値が高まり、地域文化を豊かにする存在であるべきです。
そのためには、光や影、風、四季の移ろいといった普遍的な要素や、地域が育んできた文化的な価値を建物に取り入れることが重要だと考えています。それらが、次の世代へと受け継がれる「資産」としての建築文化を形成していきます。
時に現代の利便性にあふれた風潮に一石を投じるような提案をするかもしれません。それは、人が持つべき感受性を大切にしたいという思いからです。

設計とは、土地や要望という素材を「美しく紡ぎ直す」プロセスです。

敷地の形状や気候条件、そしてお客様のご要望。このような素材を一つひとつ丁寧に解きほぐし、それらを調和の取れた形に仕立て直すのが設計の役割です。過去のプロジェクトを振り返ると、クライアントと過ごした楽しい打ち合わせや、試行錯誤を重ねた日々が鮮やかに蘇ります。その経験は、新たなプロジェクトを進める上での確かな基盤となり、設計に深みを与えていくと感じています。
私は、建物が完成した後もお客様とその土地との対話が続くような、心に響く空間を共に作り上げたいと願っています。

3本のシンボルツリーと3棟の母屋が互いに調和し、豊かな空間を生み出す外観。自然と建築が一体となり、地域の景観と調和した温かみのある住まいを作り上げています。
TAKU図面

設計図の線は、ただの線ではありません。

設計図に描かれる一本一本の線には、美しく見せるための壁や屋根のライン、快適な住空間を支える断熱や気密の工夫、現場での施工のしやすさなど、さまざまな思いや意図が込められています。それらの線は設計者が持つ知識や経験、理想を形にするための大切な表現です。
このような線が積み重なった設計図は、ただの紙切れに見えるかもしれません。しかしその中には、多くの情報や情熱が宿っています。この「線の価値」を感じ取っていただけたなら、それは設計者としての何よりの喜びです。

設計図に込められた思いを大切にしています

設計図に描かれる一本一本の線は、丁寧に考え抜かれた思いやアイデアの積み重ねです。そのため、設計のプロセスには時間と労力を惜しみなく注ぎ込む必要があります。

無償でのプラン提案を控える理由

現在進行中のプロジェクトやすでにご依頼いただいているお客様へ全力で向き合うためにも、無償でのプランのご提案は行っておりません。このような姿勢こそが、お客様一人ひとりにとって本当に価値ある空間を生み出すために必要だと考えています。

丁寧な空間づくりへの思い

お客様の理想の空間づくりを実現するために、じっくりと時間をかけて取り組む姿勢を大切にしております。何卒ご理解いただけますようお願いいたします。

連続する合掌張りの屋根が、夜景の中で空間に深みを与え、訪れる人を引き込むような魅力を持つ外観。温かい光が建物から漏れ、静かで落ち着いた雰囲気を演出しています。

プロフィール

建築家大杉の写真

大杉 崇/Takashi Osugi

株式会社ATELIER O2
代表取締役

1972年  群馬県生まれ
1995年  北海道東海大学芸術工学部建築学科卒業
1995年~2005年  株式会社 画工房
2005年3月  1級建築士事務所 ATELIER O2 設立
2010年11月  株式会社 ATELIER O2 へ法人化
2011年  北方型住宅 奨励賞
2011年  きらりと光る北の建築賞  佳作
2013年  JIA(日本建築家協会)北海道支部住宅部会 新人賞「イヌエンジュの家」
2014年  日本建築学会北海道支部 北海道建築奨励賞「イヌエンジュの家」
2015年9月~  北海道科学大学 工学部 建築学科 非常勤講師
2021年  盛岡市都市景観賞「湖畔の家」
2024年  グッドデザイン賞「Farm Villa Taku / 拓」
2024年  ウッドデザイン賞「Farm Villa Taku / 拓」

1級建築士 第315536号
1級建築士事務所 第(石)5782号
日本建築家協会登録番号 0702277
BIS 第03090号
応急危険度判定士 第007804号
JIA日本建築家協会 会員
北海道建築士事務所協会 会員
日事連・建築士事務所賠償責任保険 加入

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