2021
所在地 :札幌市手稲区
用途 :住宅
構造 :木造
規模 :194㎡
Ua値 :0.31w/㎡K
C値 :0.5c㎡/㎡
長期優良住宅
パッシブ換気暖房住宅
Photos taken by:Hiroshi Nagai
既存の庭にあった桜と遠景を活かし、プライバシーにも配慮した設計
札幌市の住宅地に建つ「回の家」は、もともとこの敷地にあった桜を残し、遠景を取り込むことで四季を感じる暮らしを実現した住宅です。壁面後退や敷地制約の中で最大限のフットプリントを確保しながら、周囲のプライバシーにも配慮した設計です。
回遊動線を活かした空間構成
「回の家」は、玄関から奥の空間に至るまで、一筆書きのようにつながる回遊動線にしています。この回遊動線の設計により、住まう人々は自然に家全体を移動しながら、それぞれの空間がどこからでもアクセスしやすく、連続的に感じられます。住宅の主要な要素(玄関、居間、キッチン、寝室など)は断片的に配置されており、それぞれが独立しつつも、回遊動線を通じて有機的に繋がります。加えて、各空間をつなぐ部分には、屋外の感覚を感じる小さな庭や通路が点在し、自然の要素を取り入れた空間が内部に広がります。これにより、外と内の境界が溶け合い、季節の変化をより近くに感じながら、日常生活の中で自然を感じる様に考えました。
シークエンスが生み出す物語性
この住宅の回遊動線は、単なる空間のつながりにとどまらず、日常生活の中で生まれる何気ない日常を物語の様に意識した設計としています。各生活シーンがひとつひとつ連携し、空間を移動するたびに新たな体験が待っています。玄関から居間、キッチン、そして寝室へと進むにつれ、それぞれの空間で異なる印象を与え、まるで短編映画のシーンを一つ一つ追っていくような感覚を覚えます。このようにして、日常の動きや時間の流れがシークエンスとなり、空間内での移動がまるで物語を紡ぐように展開します。その結果、住まう人々にとって、この家は単なる住空間ではなく、毎日が新たなエピソードを生む「長編映画」のような豊かな時間を提供する場となります。
空間と周辺環境
この住宅において自然との調和を最大限に活かしつつ、住む人々の生活が快適で豊かであるように配慮しています。敷地内に既存の桜を取り入れ、その美しさを空間の中に反映させるとともに、周囲の風景を取り込むことによって、四季の移ろいを感じることができるようにしています。さらに、外からの視線や音の影響を抑えるプライバシーに配慮した設計としています、都会的な環境にいながらも、まるで自然の中にいるかのような落ち着いた空間になる様に設計しました。このような工夫により、「回の家」は、家族が心地よく暮らすために最適な空間としました。
札幌の住宅街暮らしと自然が共存する住まい
「回の家」は、札幌の住宅地に位置し、都市生活の中でも桜や自然の美しさを感じながら暮らすことができる住まいです。回遊動線を活かした空間構成は、住まう人々に日々新たな発見や体験をもたらし、時間とともに豊かな物語を紡いでいきます。自然との調和を図りつつ、住む人々が快適に過ごせる空間を目指しています。この家に住むことによって、四季の移ろいとともに生活を豊かに感じ、日々がひとつの物語として展開していく感覚を味わうことができます。都市の中で自然との調和を大切にしながら、豊かな暮らしを送るための理想的な住まいを目指した住宅です。
The design takes advantage of the existing cherry tree in the garden and incorporates the distant views, while also considering privacy.
Located in a residential area of Sapporo, "Kai no Ie" is a home that preserves the existing cherry tree on the site and incorporates distant views, creating a living environment that embraces the changing seasons. The design ensures the maximum possible footprint within the constraints of setbacks and site limitations, while also taking into account privacy from the surrounding area.