この住宅は、札幌市中央区の住宅街に位置し、周囲にはマンションが立ち並ぶ環境にあります。その中で唯一、西側には山の遠景が望める立地でした。設計提案では、コートハウスや複数の庭が点在するプランなどを提示しましたが、クライアントが選んだのは、よりシンプルで安心感のある案でした。
この建物は、堅牢なRC(鉄筋コンクリート)の塀によって守られ、プライバシーと安心感を確保しています。その塀は建物の外壁へと一体化し、さらに山の遠景を切り取るように設けた窓が、住まい手の日常と自然をやわらかくつなげています。
室内は、外部の力強さとは対照的に、木の質感を活かし、白を基調としたデザインとすることで、温もりと落ち着きを感じられる空間としました。明るくやさしい色合いと自然素材に包まれることで、住まい手にとって心地よい安心感のある住環境を実現しています。