2007-09
所在地:旭川市
用途:住宅
構造:木造
規模:227㎡

Photos taken by:Takashi Oosugi

敷地は、旭川の東に位置し美瑛・富良野へ抜ける国道がすぐ近くを通っています。
もともと牧場だった、この敷地は大規模な造成により宅地化され売られることが決まりました。
その直後にクライアントから相談を受け、まだ造成されていないののどかな牧草の生える岡を見に行きました。
購入しようとした場所からは、きれいな岡やポプラ並木が見えました、これらの景色はプラン等による工夫で維持できると考え、敷地の購入となり計画は始まりました。
設計条件で考えたことは、敷地の記憶を残すことと建物が完成した後に続々と建設されるであろう他の建物に対応できるようなフレキシビリティーを備えることでした。
敷地の記憶を残すことでは、単純な牧場らしい外観や色といったことではなく、もともとそこに広がっていたであろう、のどかな岡や田園風景からパッチワークの風景のようなものをプランに取り入れる(中庭を多用)ことで、豊かな空間が出来ないかと考えました。
そこで、敷地をクライアントの要望に近い部屋の大きさでグリット化し、内・外部空間を慎重にそこへはめ込みながら視界の調整を行いました。
庭はグリット化により分割されることで菜園や客を迎える庭といったような用途が明確になった。
また、このグリットは建物の外観にもフレームという形で現れ、室内外を曖昧にする装置と共に、後に視界が悪くなった場合にルーバー等をはめ込む役割も果たします。
フレームで仕切られた庭は様々な方向から眺めるプランとなっており、これにより自然のリズムと共鳴しあう豊かな空間がここでは実現出来たと思う。